Seishiro Kusunose 5th.Album “Itsumo Aeruwakejya Naikara…”
released on 1990/07/21
Seishiro Kusunose ( Vocals / Musics / Arrange )
Yuji Toriyama ( Guitar )
Cyuei Yoshikawa ( Guitar )
Satoshi Takebe (keyboard)
Jake.H. Comception (sax)
Shin Kazuhara (Trumpet)
Yasuho Shiraishi (Trombone)
Makoto Kimura ( Percussion )
01. 永遠の約束 (Eien no yakusoku) ★ |
02. 満員電車は夏の気配 (manin densya wa natsu no kehai) |
03. 季節がとうりすぎても (kisetsu ga torisugitemo) |
04. 天使たちのレッスン ( tenshi tachi no lesson) |
05. 暮れかかる街で ( kurekakaru machide) |
06. 風がめくる午後 ( kaze ga mekuru gogo) |
07. いつか,月になって ( itsuka , tsuki ni natte) |
08. 君のせいじゃないさ ( kimi no sei jyanaisa) |
09. 一時間遅れの僕の天使 ( ichi jikan okure no boku no tenshi) ★ |
10. かなしいよろこび~誰かを好きになると (kanashii yorokobi ~dareka wo sukini naruto~) |
11. もうひとりぼっちはたくさんだよ ( mou hitoribocchi wa takusan dayo) |
本日は、1990年代のCDカテゴリー。
1990年07月に発売された楠瀬誠志郎の5枚目のアルバムをご紹介いたします。
前回のZOOから始まった「夏っぽいセレクション」の第二弾です。
楠瀬誠志郎は、1986年にデビューしたミュージシャンで、そろそろ活動30年目を迎える
大ベテランです。もう、どなたでも御存知のシングル「ほっとけないよ」の大ヒットで、文字
通り「ほっとけない歌手」になった訳ですが、今日ご紹介するアルバムは、時系列で言うと
「ほっとけないよ」が発売される一年以上前に発売されていたアルバムです。
この時点で五枚目のアルバムですから、歌手としての実力から言っても、後に、大ヒット
曲が生まれるのも自然の流れだったのかも知れませんね。
もともとは、あの日本の重鎮ドラマー「村上”ポン太”秀一」の付き人で、その際のミュージ
シャンとの交流から、EPO、安部恭弘、杉真理、そして山下達郎のバックコーラスを務め
ていた方です。
これだけ見てもよっぽど、「唄」を歌うのが上手い方だったんでしょうし、付き人とは、
業界の言い方なだけで、音楽業界の何たるかをポン太さんの元で、色々修行されていた方
なんだろうなと想像出来ます。
実際、本当に唄が上手な方だと思います。
が、ヒット曲以外であまり注目されなかったのは、その独特の声質が原因だったのかも知れ
ないと思っています。良く言えば、「甘い」「綺麗な」「さわやかな」と表現できるのですが、
悪く言ってしまうと、やや「子どもっぽい」「むず痒い」声にも取られかねず、好き嫌いが
激しく分かれる声の持ち主では無いかと思います。
(私自身は、当然、彼の声が好きですw)
このアルバムは、夏っぽいセレクションと言う事で選んでいますし、とても爽やか系の曲が
並んでいるので、是非皆さんにも聞いて頂きたいと思っているのですが、一つだけ、どうし
ても「難癖」を付けたい部分がありまして・・・、それがジャケットなんです。
一番上に、ジャケット画像を紹介しておりますが、非常に頂けません(笑)。
もうこれは、完全に私の好みだけの問題で「難癖」を付けるので、異論反論は認めさせて
いただきます。
まあ、ヒドイです(笑)。
この色合いと言い、構図と言い、鳥羽一郎さんですか?と言いたくなるくらい、CDの中身
と合っていないと私は感じるのですね。発売されたのも7月21日って、夏休み突入時にリリ
ースされているのに、まるで「演歌」的なジャケットに、愕然としてしまいます。
ご紹介リンクにある、YOUTUBEの画像にも、普通の海の写真が収まっていますが、ちょっと
鈴木英史風とか永井博風のイラストっぽく、ジャケットを作って頂ければ、「あら不思議!」、
たったこれだけで、「山下達郎」にも「角松敏生」にも「大滝詠一」にもなれたハズなのにと
考えると残念で仕方ありませんw (関係者の皆様すいません)
関係者の方々にお詫びはしますものの、真夏の発売日でありながら、何故に楠瀬さんが長袖
なのか?とか、赤茶色の岩肌は何なのか?とか、濃紺の日本海の様な海色はどうしたのだ?
とか、もしや!秋を先取りしたのでは無いか?とか、その意図的な所を膝を詰めて小一時間
ほど、ご質問申し上げたい心境になってしまうのであります。
(その昔、学校の写生会で、快晴の日の芝生の色を燃えるような「赤色」で塗りたくり、
母親が先生に呼びつけられる事態を起こしながら、何故か、現在、デザイナーが生業となっ
てしまった「このワタクシめ」が言うのも何ともおこがましいのでありますが・・・理由が
知りたい今日この頃)
ところが、そのジャケットに反して、居並ぶ楽曲の爽やかな事と言ったら、このギャップを
敢えて狙ったとしか言いようが無いかんじであります。
この後に、リンクでご紹介する2曲目の「一時間遅れの僕の天使」と言う曲は、クリスマス
ソングなんです。ですが、そのクリスマスソングをこの時期ご紹介出来るのは、その見事な
までの「ウォール・オブ・サウンド」がいかにも夏っぽく聴けるためなんです。
(お陰で、一年中聴けるアルバムでもあります。)
もしかしたら、ご存知無い方のために、この「ウォール・オブ・サウンド」を「このワタ
クシめ」の浅い知識で添えておきますと、録音した多くの音素材を重ねて重ねて分厚い
音作りをすると言うもので、かのビートルズと揉め揉めする原因となったプロデューサー
のフィル・スペクターが生み出した手法と言われております。
皆様もご存知の「エンヤ」なんかは、正にウォール・オブ・サウンドを主軸に使っていま
すし、日本でも故・大滝詠一氏や山下達郎氏は、今ではスペクター以上のウォール・オブ
・サウンドの使い手となっている訳で、その弟子にあたる楠瀬誠志郎氏が、「ウォール・
オブ・サウンド」を取り入れた楽曲を作っているのは、至極当然のことと思います。
そして、私どもリスナーは、大滝氏のナイアガラシリーズや、山下達郎氏の初期のアル
バムに多用される「ウォール・オブ・サウンド」のおかげで、オーバーダビングやエコー
のかかった奥行きのあるサウンド=”夏!”と刷り込まれてしまっている訳で、この呪縛か
らはどうにも逃れられないのであります。
さて、難癖を付けつつも、ここでご紹介したいと思える程、とても練り込まれた素敵な
このアルバムが皆様の「夏のコレクション」に加えられることを願って、終わりにしたい
と思います。
今回もつたない文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。
★Recommend Track No.01 AUDIO [ Eien no yakusoku ] ★ HD720p
★Recommend Track No.09 AUDIO [ ichi jikan okure no boku no tenshi ] ★ HD720p
=If you want to search in Japanese=
楠瀬誠志郎
CD No.CSCL-1469